養命酒製造が実施した「冷え症と関連があると思う不調」のアンケート調査では
1位 肩こり・首のコリ 52.6%
2位 代謝がよくない 46.0%
3位 寝付けない・眠りが浅い 35.8%
4位 疲れやすい 34.0%
5位 免疫力の低下 31.5%
という結果でした。あなたが感じている不調、もしかしたら気づいていないだけで、冷えが原因かもしれません。
この記事の目次
冷えは万病のもと!その不調の原因かもしれません
足元が冷たい、肩こりがする、月経不調、体がむくむ・・・このような症状を訴える若い女性が、年々増えています。これら症状の要因のひとつには「体の冷え」があると考えられています。
「冷え」とは血液の巡りが悪く、新陳代謝が低下している状態です。本来の望ましい平熱は36.5~37度といわれますが、近年の平均体温が36度前半だったり、35度台の人が急増しているのです。
これは、文明が進んだ現代社会だからこその現象ともいえます。たとえば、キャミソールやミニスカートなどオシャレと感じる洋服には足元を冷やしたり、お腹を冷やします。そして車や電車の普及は運動不足を招いて、発熱に必要な筋肉を動かす機会を減らしてきました。
また一年中エアコンがきいた部屋にいれば、気温が30度を超える夏の暑さでも、汗をかくことはあまりありません。その上、アイスやジュースといった冷たいものを、一年中いつでも好きなときに口にできるものだから、冷えは加速するばかりです。こうした積み重ねが、体温調節の機能を狂わせて、冷えや低体温の人を増加させたのだと考えられます。
また調子が悪くて病院に行くと、不調の直接の原因に対して治療をしてくれます。たとえば頭痛には鎮痛剤、動脈硬化には血液をサラサラにする薬というように、直接的に効果のある治療が行われます。けれど、体がそうした状態になった根本の原因が排除されなければ、また同じような不調に悩まされたり、薬を飲み続けなければなりません。現代人の低体温の影響で、血行が悪い、エネルギー不足、リンパ液の流れが悪いなどの症状から、冷えで起こりやすい未病と呼ばれる病気予備軍を引き起こします。それほど冷えの不調は大敵です。
ただし一言で「冷え」といっても色々な種類があり、体にあらわれるトラブルも様々です。あなたの不調が冷えからくるものなのか、また冷えが体にどのような影響を与えて、どのような症状が出るのかを確認してみましょう。
冷えが引き起こす体の不調
冷え症・血行不良
そもそも「冷え性」と「冷え症」の違いってなんでしょうか?
東洋医学においては、冷えを病気のサインと捉えていて、体内の熱が少なくなることで生じる様々な異常をまとめて「冷え症」と考えています。また人の身体を「気血水」の三要素からできていると考えられ、冷え症は「気血水」のバランスが崩れた状態とみています。
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一方西洋医学では、冷えがある人を「エネルギーが少ない人、血行が悪い人」と分類しています。そのため「冷え性」あるいは「冷え」と表現しているのです。
では冷え症からくる体の不調を考えてみましょう。冷え症は病気ではありませんが、手足や腰などが不快なほどの冷たさを示す症状名です。血行不良も同様で、病気として治療するほどではないけれど、血流が悪く、そのためにさまざまな弊害があらわれている状態。冷え症はその名のとおり、冷えが原因の症状です。冷え症は、腰が冷えて重い、手足が氷のように冷たく感じる、靴下が手放せないなどの直接的な症状のほか、眠れない、頭痛、肩こり、腰痛、のぼせ、動悸などの二次的な症状があらわれる場合が多いのです。
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むくみ
むくみの原因は全身を巡っている水分(リンパ液)が、ある一定の場所で流れずに停滞してる状態です。
人間の体には無数の血管が張りめぐらされているのと同様に、リンパ管も全身に張りめぐらされているのです。リンパ管にはリンパ液という水分が流れていて、不要になった老廃物が運ばれて、ろ過されて排出されたり、細菌やウイルスなどの関所となって、簡単に通り抜けられないようにバリアを張る力を高めます。
リンパ液は血管同様、冷えるとキュッと収縮し、流れが悪くなります。血液は心拍で押し出されているのに対して、リンパ液はリンパ管自体のポンプ機能で流れています。しかしリンパ液自体にはそれほど強力なポンプ機能はなく、周囲の筋肉の収縮や弛緩によって流れているので、筋肉の減少もむくみにつながります。
頭痛
頭痛の原因はさまざまなので、原因を突き止めることが大切ですが、慢性頭痛の場合、筋肉の緊張が原因の場合も多く、それが原因となって血流が悪くなり、頭の毛細血管の末端まで血液が届かず、滞った血液が神経を刺激して頭痛が起こります。
この場合、肩こりや首筋のコリを併発している場合が多く、コリは冷えが原因の場合が少なくありません。そして、自律神経のバランスが崩れることで起きることが大きな原因となっていますが、自律神経の乱れは脳内の神経バランスも崩し、頭痛になっていることもあります。
肩こり
肩こりは肩の筋肉の緊張と血行不良が原因で起こるものです。運動不足や、同じ姿勢をとり続けていることなどが原因としてあげられます。筋肉の緊張は冷えによっても起こります。
冷やされた筋肉はそれ以上熱を奪われないように血管をキュッと収縮させ、同時に筋肉も収縮するため肩こりとなってあらわれるのです。そして肩甲骨あたりの血流が滞り、筋肉が固まった状態がさらに肩こりを悪化させてしまいます。
生理痛
女性の体内では、生理前から生理中に「プロスタグランジン」というホルモンが出ていて、生理痛に深く関係している物質となります。プロスタグランジンは、子宮を収縮させて、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きを持っています。その時に感じる下腹部痛や腰などの痛みが「生理痛」となってあらわれます。
そして、生理痛は体が冷えると、プロスタグランジンを急激に増える仕組みになっていて、急激に増えたプロスタグランジンによって激痛を引き起こします。
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眼精疲労
目の疲れがひどく、肩こりや頭痛、自律神経失調症などを起こすのが眼精疲労です。
一見、目の疲れと冷えは関係ないように思われますが、目の疲れは目の周り筋肉の疲労と、血行不良によるもので、自律神経が乱れると症状としてでてきます。焦点を合わせようと筋肉が酷使され、収縮によって血管が圧迫されて血流まで妨げられていることが原因のほとんどです。
動脈硬化
動脈硬化は、コレステロールなどが血管の内壁にたまって、血液の通り道である血管が狭くなり、血管全体も硬くもろくなった状態です
。血行が悪くなると、全身の冷えにつながりますが、冷えは体にとってストレスになります。そのため長期間続くと、交感神経が必要以上に活動的になって、ホルモンの乱れを招いてしまいます。その結果、エストロゲンという女性ホルモンが減り、動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化は、生活習慣病の中でも、心筋梗塞(心臓の血管が詰まって起こる病気)や脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)の原因となる重大な病気です。そんな血管のトラブルも血行不良が一因です。脂質の多い食事や食べすぎなど、基本的には食生活が原因なのですが、血液の流れる勢いや血液の温度も影響があるとされています。
高血圧
血圧とは、血管の中を血液が流れる時に、
また冷えによって血行が悪くなり、血がドロドロして滞留している状態や、血液の巡りが悪いことで、体の外に出すはずの老廃物が体内に残り続けることも要因となっています。
最近、高血圧の人が、脱衣所、トイレなど、急激に室温が下がった時に心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを起こすケースが多いとされています。
便秘や下痢
「便秘」と「下痢」って、真逆の症状ですよね?でもこれって原因は同じ時もあるのです。そして便秘はおなかが張ってつらいだけではなく、肌荒れなどの影響もでて女性にとっては悩みのタネですよね。
便秘も実は冷えが原因の場合があります。低体温で体の中心部、芯ともいうべき部分が冷えて、内臓の機能低下が起こり、腸のぜん動運動などがうまくいかない事と、血流が悪いため、腸内が冷えて、腸内環境が乱れることの両方が原因なのです。
また冷えすぎると腸内の水分がうまく吸収できずに、働きが落ちて消化が悪くなるために下痢の症状が起こります。体の冷えから自律神経が乱れることによって、腸のぜん動運動に異常が起こり下痢になる場合も多いのです。
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アレルギー
内臓が冷えると、免疫力も低下しがちになります。特に腸は腸管免疫という独特の免疫システムを持っていて、ウイルスや細菌など外から侵入してきた敵から身を守る免疫細胞が集中しています。免疫機能の中心である腸内の環境が冷えによって悪くなると、免疫が誤った働きをして、花粉症などのアレルギーが発症することがあります。花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎は、いずれもアレルギー疾患です。免疫機能が低下すると、アレルギー疾患や、風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなります。
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イライラとうつ症状
症状は真逆なこのふたつの症状ですが、どちらも冷えによる自律神経が乱れたことに関係しているんです。
「イライラ」は、交感神経といわれるアクティブ神経が全開になっていて、時速200キロくらいで道路を走っている車のようなもの。ブレーキもかけずに全速力で走っている状態がイライラを引き起こします。ただ、このままアクセルを踏み込んでいると、いずれはガス欠を起こしますよね。それが副交感神経が強くでる「うつ症状」に変わっていきます。ガソリンは人間にとって体をつくる「エネルギー」となります。食べたり、眠ったり、呼吸をすることで、私たちの体はエネルギーを補給しますが、アクティブ神経の交感神経が働きすぎると、食欲がなくなったり、寝れなくなったり、呼吸が浅くなったりします。そうするとエネルギーが補給できない状態になります。または、アクセルを踏みっぱなしの状態が続いて、補給したガソリン量を上回ってしまう状態になってしまいます。呼吸をしたり、心臓を動かしたりするのもエネルギーを使うので、エネルギーが足りなくなると、必要最低限の生きるためだけにしか使えなくなります。それが気持ちのやる気ダウンにつながり「うつ病」と呼ばれる状態になるのです。
冷えで自律神経が崩れる
↓
全身が冷える
↓
体を温めるために熱をつくるのにエネルギーを使う(イライラ)
↓
エネルギーが充分ではなく足りなくなる
↓
うつ症状になる
という仕組みの中で、体の冷えが原因で負のスパイラルが続くのです。
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シミなどの肌トラブル
シミ・しわ・乾燥・たるみなどの肌トラブルは、体内が衰えているということの証拠です。皮膚は体の状態が目で見てわかるところです。体の状態がいい時には、肌も特にトラブルは出てきません。逆に体の状態が不調の時には、肌荒れや吹き出物など肌トラブルが出てきます。
シミができるのは、新陳代謝が悪くなり、肌のターンオーバーができていないということ。これは冷えによって代謝が落ち、組織が上手に作りかえられていない状態です。しわや乾燥も同様。皮脂や水分の供給がうまく出来ずに、負担がかかっているのです。紫外線や外気の乾燥など皮膚ならではのダメージもありますが、全身の冷えによる血流不足で衰えていると考えるほうが自然です。また、たるみと冷えにも相関関係があります。大人になるとどうしてもフェイスラインを支える筋肉の力が弱くなりますが、さらに脂肪や水分の量によってもたるみの進行に拍車をかけてしまうのです。冷えによるリンパ液の滞りで顔がむくんだ状態が続くと、皮膚や筋肉を元に戻すのは大変なことです。
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冷えからくるものと理解して対策をしましょう
現代の私たちの便利な生活は、冷蔵庫にエアコン・・・と体を冷やす文明の利器ばかりですね。ついつい食べすぎてついた脂肪はお腹を冷やしてしまいます。ストレスの多い社会自体が、体の冷えはもちろん、心も凍りつかせてしまいます。冷えを放置して対策もしないで、病気になってから対応していては手遅れです。冷え症の症状を理解した上で、あなたができる改善法を見つけてみてください。