便秘。とてもつらい症状ですよね。ひとことで便秘といっても原因は様々ですが、その便秘が妊娠の妨げになっている可能性もあるんですよ。では実際に不妊につながる便秘とは、どういった便秘なのでしょうか?
答えは内臓の冷え。
不妊で悩む女性の便秘は内臓、とくに腸の冷えが原因になることが多いようです。腸も冷えると動きが鈍くなるので、便秘になりやすくなるのは想像しやすいのではないでしょうか?
また、冷えで血液の流れが悪くなれば、内臓である子宮や卵巣も正常に機能しなくなります。そこから女性ホルモンのバランスが崩れて、生理痛・無月経などの生理不順になりやすくなるのです。これが続くと、不妊症になりやすくなんです。産婦人科の先生のなかには、「不妊治療を便秘をなおすことからはじめる」という人もいるほどです。
今回は、多くの女性の悩みでもある「便秘」を効果的な「便秘薬」と共にご紹介したいと思います。まず便秘の症状についてご紹介します。
この記事の目次
意外と知らない便秘のタイプ
便秘には様々な症状があり、そのタイプによって症状が変わっていきます。まず急性便秘。この症状は一時的なもので2日~3日で改善されます。次に医療性便秘。薬の副作用で一時的に便秘になりますが、薬の服用をやめると症状が改善します。そして次に慢性便秘。これが、日常的に続く便秘の中で多い症状だと言えます。慢性便秘は水分不足や食物繊維不足、運動不足が主な原因です。また慢性便秘の中でも、症状によって3つに分類されるのでご紹介します。
直腸性便秘
仕事中や外出などで、排便をガマンし続けることによって、便がなかなか出なくなる症状。最も多い便秘がこのパターンです。長い時間お腹に溜まった便は固くなり、なかなか出てきません。これは水分補給をすることによって改善が期待できます。
痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)
別の名を過敏性腸症候群と呼びます。過度なストレスや緊張したときにお腹が痛くなるのはこの症状です。
15年ほど前、会議や研修の前になると腹痛を起こして毎回不参加の同僚がいました。まわりは冗談っぽく茶化していましたが、本人にとってみたら大ごとですよね。この症状は、便秘だけでなく、下痢や消化器系の異常がでることも特徴です。まずはストレスを取り除き、リラックスして無理をしないことが大切ですね。
弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)
筋力とくに腹筋の低下が原因で、腸が正常に働かないこと。年配女性や出産後の女性に多かったのですが、最近では体力のない若い女性にも症状がみられます。まずは腹筋をつけるところからはじめましょう。
次に、代表的な便秘薬の成分についてご紹介します。
便秘の症状で薬を選びましょう
毎日飲んでもいいお薬と、あまりおすすめできないお薬があるので注意が必要です。
体を冷やしてしまうセンナ
便秘薬として昔から服用されていた生薬がセンナです。漢方薬として使用されるこのセンナは、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にさせて便通をスムーズにする働きがあります。つまりセンナは腸内に詰まっている便を柔らかくして排便をスムーズにするのではなく、直接腸を刺激して便意を起こす仕組みです。根本から便秘を治したい人には不向きなお薬となります。
ちなみにセンナの葉っぱと実が医薬品として扱われ、茎は食品として扱われているので、市場に出ているセンナ茶は医薬品と食品と2種類があるんです。医薬品のセンナ茶は、錠剤のセンナと同じ効き目があるので、お茶として飲むか、錠剤として服用するかのいずれかにしましょう。そして漢方薬は効果が穏やかだからと言って、錠数を増やしたりすることは厳禁です!かなり強力な効果があるので、飲む場合は服用量を守ってくださいね。もし初めて飲む場合は、服用量を減らしても効果がある人がほとんどです。
またセンナは体を冷やす作用があります。妊活中は体をあたためることが重要なので、センナは逆効果!妊活中は冷えの原因になるので常備薬にはおすすめしません。
また副作用として、腹痛や下痢を引き起こす可能性が高いです。私は過去一度、薬の研修で1錠だけ服用したことがありますが、かなりの腹痛に見舞われました。(個人差あります)
さらに依存性のある薬なので、体が薬に慣れて効かなくなってしまい徐々に薬の量が増えていくという飲み方をする人が少なくありません。そのような飲み方を続けていると、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が自然に出来ずに、薬に頼らざるを得なくなるという、負のループにつながるので要注意です!
刺激の強いビサコジル(コーラック)
便秘薬として有名な商品といえば、コーラックですよね!そのコーラックも今や緑や黄緑、ピンクシリーズも3種類あったりと種類豊富になりました。コーラックの中で一番売れているであろうピンクのコーラックの主成分はビサコジルで、しっかりとした効果が期待できます。腸の副交感神経を直接刺激して、低下している腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にします。胃でも作用してしまう成分なので、胃で溶けずに腸に届くよう錠剤が設計されています。割ったりせずにそのまま服用しましょう。
センナと同じく、副作用として腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。こちらもセンナ同様依存性のあるお薬なので、根本から便秘を治したい人には不向きなお薬です。これは私は怖くて飲んだことがありません。ただ、友人が学生時代に10錠…20錠…と飲んでいて驚いたことがありました。本人は平然としていました。本当に負のループに陥っていましたが、病院で治療を受けて今は便秘薬は飲んでいないようです。
子供でも安心なプランダゴ・オバタ種皮
プランタゴ・オバタというオオバコの仲間の植物の種皮です。この種皮が食物繊維の塊のようなもので、腸内で水分を吸収して膨らみ、緩やかに腸管を刺激します。プランタゴ・オバタ種皮そのものは医薬品ではないので、便秘薬と一緒に配合されていることが多い成分です。また水分を吸収して膨らむので、服用の際はたっぷりのお水や白湯で飲むことをおすすめします。効き目は穏やかですが、腹痛や下痢などの副作用はほとんどありません。私も服用したことがありますが、お腹は痛くなりませんでした。(個人差あります)
また毎日服用しても特に問題はありません。
体に優しい酸化マグネシウム
酸化マグネシウムの他に、硫酸マグネシウム・水酸化マグネシウムも同じ働きがあります。便は腸内の水分を吸収することで膨らみ、膨らんだ便で腸が刺激され排便を促しますが、腸内の水分が足りないと水分不足で便が硬くなり、さらに容積も小さくなるので腸が刺激されずに便秘を引き起こしてしまうんです。腸内の水分不足を解消するには、水分補給が大切です。しかし便秘が慢性していると、ほとんどの水が腸に吸収されてしまうため、便に水分が届きません。
そこで酸化マグネシウムが活躍します!
酸化マグネシウムは水分を吸収する働きがあるだけでなく、一度吸収した水分を腸壁に吸い取られることなく、そのまま便を柔らかくしたり、体積を大きくして蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にさせて便秘を解消することができるんです。
効き目は穏やかですが、副作用の腹痛や下痢などの副作用はほとんどありません。これも服用したことがありますが、まったくお腹は痛くなりませんでしたよ。(個人差あります)
また酸化マグネシウムは古来より「胃腸薬」として用いられていることから、便秘解消とともに消化器系を整えることが期待できますよ!
便秘の改善は、妊娠への1つの近道です。
いかがでしたか?毎日のお通じが健康への秘訣なんです!出ないのが当たり前で放置するのは厳禁です。便秘の症状によって対策も様々、有名な市販薬だからと安易に選ぶのもおすすめできません。あなたの症状がどんな状態なのかで対策もお薬も変わってくるんです。また便秘薬に頼るのではなく、できる限り自然な排便をこころがけることも大切です。まずは水分補給と食事のバランス、リラックスですね!
また、コンビ株式会社が運営する「コンビタウン」で行った「妊娠中のトラブル」というアンケート結果によると、妊娠初期~後期までのトラブル1~2位は、便秘の悩みが独占状態でした。妊活中に体質改善をしておくと、妊娠中のトラブルが一つ解決しそうです。
便秘の根本的な改善は、妊娠反応へのひとつの近道です。よりよい生活環境で、妊娠への道筋が見えてくることを願っています。