「食養生」で肌悩みを解決!アンチエイジングに効果的な食べ物

「養生」という言葉を知っていますか?養生とは、一言でいうと「体と心をより健康にする生活の過ごし方」のこと。
体を大切にすると、心も安定して健康でいられるのです。そして「食養生」とは、文字通り「食で命を養う」ということ。
私たちの体は食べ物から摂る栄養素でつくられているため、食を整えることが健康を保つ一番の基本なのです。

日本は豊かな食に恵まれた国。だからこそ、自分の体に必要な食べ物をきちんと見極めて、日々の食養生で健康な体づくりを心がけましょう。
食養生ではその症状によって、衰えてきた器官を補って、老化を防ぐ食べ物が変わってきます。今の体調にぴったりな食材を日々の食事にうまく取り入れて、心と体を健康に保ちましょう。

今回は、「ニキビ」「シミ・くすみ」「シワ」「皮膚のかゆみ」「白髪」とお肌の代表的な不調を取り上げてみます。お肌なのに「白髪」?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、白髪は肌の延長と考えられています。今回は肌トラブルの種類別のおすすめの食べ物と、逆に控えたい物、おすすめの漢方をご紹介します。

肌トラブル:ニキビ

漢方では、体に熱がこもったり、肝臓の働きが落ちてきて血の巡りや循環が悪くなると、余分な水や毒素がたまりやすくなって、ニキビが肌に現れます。解毒作用利尿作用のある食材を使って予防する食養生をご紹介します。

ごぼう

食物繊維が豊富で解毒作用があり、からだの老廃物を体外に排出してデトックス効果があります。市販のごぼうも乾燥しないように袋ごと新聞紙にくるんで冷蔵保存するだけで、ごぼうが甘くなるんです。ごぼう生産者の方から教えてもらい、私も実践しています。おいしいですよ!

春雨

体の熱を除いて解毒し、利尿作用があるのでむくみにも効果があります。緑豆から作られたもやしを選びましょう。

ハト麦

体に溜まった不要な水分を取り除いて乾燥やターンオーバーを正常に整える効果があります。はとむぎは、お米やおかゆに混ぜたりして調理します。ニキビができる生理前には、ハト麦茶にしています。クセがなくておいしいですよ!以前よりニギビができにくくなったような気がします。

ニキビでお悩みの人が食べてはいけないもの

チョコレートや生クリームなど甘いスイーツ
揚げ物などの脂っこいもの
辛みの強いもの
スナック菓子やインスタントフード
アルコールの度数が強いもの
体内に熱をこもらせてニキビを増やすので控えましょう。

ニキビにおすすめの漢方薬と症状

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・白ニキビ
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)・・・慢性して皮膚が浅黒いニキビ
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)・・・化膿を繰り返すニキビ
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・赤ら顔のニキビ

 

肌トラブル:シミ・くすみ

漢方では、シミくすみは、血の巡りが悪いときに現れると考えられています。血行を促進して体内の水分の循環を良くする食べ物で肌にうるおいを補給して、シミやくすみが目立たない明るい素肌を保つ食養生をご紹介します。

なす

利尿作用で体内の循環がよくなり、シミを目立たなくする効果があります。なすは皮に抗酸化作用ポリフェノールが含まれているので、皮ごと食べましょう。

きくらげ(白・黒)

きくらげは美肌対策に効果大!白きくらげは体にうるおいを補給して白い肌に、黒きくらげは血の巡りをよくしてシミを取る効果があります。きくらげは生のままスーパーで売っているところもあります。乾燥きくらげはスーパーで比較的手に入りやすいですよ。

とうがん

体の余分な熱を取り、むくみ予防や老廃物を排出してデトックス効果があるので、白くてうるおいとツヤのある素肌が期待できます。

シミやくすみ肌でお悩みの人が食べてはいけないもの

チョコレートや生クリームなど甘いスイーツ
マヨネーズやげ物などの脂っこいもの
コーヒーなどカフェインを多く含んだ飲み物
血流を悪くしてシミやくすみを増やすので控えましょう。

シミやくすみにおすすめの漢方薬

加味逍遙散(かみしょうようさん)・・・血の巡りをよくして、肌に栄養を与えてシミの原因のメラニンを排出します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・シミの中でも特に肝斑(かんぱん)への効果が期待できます。血の巡りをよくして新陳代謝を上げ肌のターンオーバーを正常にします。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)・・・色々な肌トラブルに使われる漢方薬。皮膚の炎症を抑える作用があり、シミの原因のメラニンを作るのを抑えてくれます。また清上防風湯の「清」は顔の熱を冷ます作用を表しています。顔に熱が溜まるほてりは肌の炎症の原因で、このほてりを鎮める作用が、シミ以外にもニキビ跡にも効果があります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・血の巡りをよくしてホルモンバランスを整えるので、シミ・くすみ・クマの改善に効果が期待できます。

 

肌トラブル:シワ

漢方で皮膚と関係が強いのは、肺や腎臓といわれています。肺や腎臓の働きを高める食材を積極的にとって、体にうるおいを与え、素肌を乾燥から守ることでシワができるのを防ぐ食養生を紹介します。

くるみ

抗酸化作用シワを防いで、ターンオーバーを正常に整える効果があります。血の巡りを改善して、素肌にうるおいを補給します。老化防止でくるみが話題になってから、私も毎日一粒ずつ食べて続けています!

バナナ

整腸作用で老廃物を排出することでデトックス効果になります。また内臓や皮膚を守って、体にうるおいを与える作用があります。

黒ごま&ごま油

抗酸化成分がたっぷり入った黒ごま&ごま油はシワの原因を排除してくれます。胃腸のうるおいを守って、肌のバリア機能を高めてしわを防ぎます。

シワでお悩みの人が食べてはいけないもの


チョコレートや生クリームなど甘いスイーツ
マヨネーズや揚げ物などの脂っこいもの
スナック菓子やインスタントフード
アルコールの度数が強いもの
体のエネルギーを消耗させ内臓の若さを損ない、肌を乾燥させるので控えましょう。

シワにおすすめの漢方薬

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)・・・別名「若返りの薬」と言われています。血の巡りをよくしてシワ予防の潤いを与えます。
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)・・・血の巡りをよくして新陳代謝を促進することでしわ予防になります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)・・・体をあたためて体全体の機能低下を元に戻していく処方で、加齢が気になりはじめた40代からの服用がおすすめです。

 

肌トラブル:皮膚のかゆみ

体が老化してくると、皮膚のうるおいが失われバリア機能が低下するため、かゆみを伴うことが多くなります。そんなときには、肌にうるおいを与える食材や炎症を抑える作用を持ち、皮膚のかゆみを抑える食養生をご紹介します。

緑豆

利尿作用で体の熱を取り去って、炎症とかゆみを抑える効果があります。老廃物を排出するデトックス効果もあり、むくみ夏バテにもおすすめです。

もやし

緑豆のもやしは、緑豆と同様に炎症を抑える作用があるので、美肌効果や肌荒れ防止に期待できます。またもやしに含まれているビタミンCが老化防止ガン予防ストレス対策に効果的な栄養素です。

白きくらげ

内臓を含む全身を潤わすことで老化を防ぎ、乾燥によるかゆみを防ぎます。またコラーゲンがたっぷり含まれているので、お肌にハリも与えます。

皮膚のかゆみでお悩みの人が食べてはいけないもの

チョコレートや生クリームなど甘いスイーツ
辛みの強いもの
アルコールの度数が強いもの
辛みの強いものやお酒は、体に熱をこもらせるのでかゆみが増します。また、甘いお菓子も体脂肪を増やしてかゆみが止まりにくくなります。

皮膚のかゆみにおすすめの漢方薬と症状

当帰飲子(とうきいんし)・・・加齢による肌の乾燥からくるかゆみに
温清飲(うんせいいん)・・・浅黒い皮膚でほてりを持ったかゆみに。血の巡りをよくして、生理不順や更年期症状などにも処方されます。
真武湯(しんぶとう)・・・虚弱体質で冷え、むくみがあり、肌の乾燥からくるかゆみに

 

肌トラブル:白髪

中国では、「髪は血の余り」といわれています。栄養素がたっぷりつまった血液が十分あって初めて髪にも栄養が回る、ということです。
また老化によって体のエネルギーをつかさどる肝臓の働きが弱くなったり、肝臓の機能が落ちて血液の量が減ってくると、白髪が増えるといわれています。内臓を丈夫に保つことで、若々しい黒髪を保つ食養生をご紹介します。

黒豆

肝臓に働きかけて血を補うことで、黒い髪を増やしてくれます。また抗酸化作用で髪もサビて白髪にならないように防いでくれる効果があります。

なつめ

胃腸の働きをよくして体を丈夫にします。甘い味にはリラックス効果もあります。

松の実

松の実は、髪の毛を作る工場の毛母細胞肌に栄養を与える食べものと言われています。肺や腸にうるおいを与え、内臓を活発にして髪の若さを保ちます。

白髪でお悩みの人が食べてはいけないもの

アイスクリームや冷たい飲み物
温野菜より生サラダが好き
お寿司や刺身
冷たいものや生ものは体のエネルギーを消耗させるので、内臓の若さを損ねて白髪を増やしてしまいます。

 

食事の工夫で良い肌状態を保ちましょう

悩んでいる肌トラブルはありましたか?
普段から口にしている食事を見直すことで、お肌の悩みを解決することができるんです。そのほか、睡眠を十分にとる、ストレスを溜めないといった生活の注意も大切なポイントです。普段の食事で、賢く食べること。食材の特徴を活かして自分にあった食事を見つけてみてください。

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一児の母。医薬品販売に長く従事しており、医薬品に限らず美容と健康に関する情報を日々収集している。自身の経験も参考にし、妊活に関する情報も発信している。

2010年 医薬品登録販売者 資格取得

ミモザ製薬株式会社 管理登録販売者