漢方キーワード「気 血 水」でからだの不調を整えましょう!

前回ご紹介した気血水 漢方であなたの体質をチェック! ~あなたはどのタイプ?~は、いかがでしたか?

もし、まだチェックしていない方は、ぜひ試してみてくださいね!

漢方医学では「気 血 水」が、体内をバランスよく巡ることで健康が保たれると考えます。

この「気 血 水」の量が減ったり、逆に増えたり、滞ったりとバランスを崩すと、さまざまな不調がでてくるんです。

「気 血 水」の何が不調だとどんな異常が出ているかが、病態を見つける漢方の「ものさし」になるんですよ。

体の不調や病気の予防にもなるので、ぜひ知っておきたいですね!

今日は「気 血 水」についてのご紹介をしたいと思います。

 

「気」はエネルギーの源

「気持ち」「気力」という言葉にもあるように、「気」は目には見えないからだのエネルギー源となるものです。

この「気」が満ち溢れていると、「やる気」「元気」「活気」といった前向きなエネルギー源が生まれます。

一方で、この「気」が足りなかったり、弱ったりすると「病気」「嫌気」「気重」など、エネルギー不足で体の不調が現れてくるんです。

 

「気」の不調~元気が不足している「気虚」タイプ~

改善ポイント

軽い運動は必要ですが、きつい運動は「気」を消耗するので不向きです。

エネルギー源である三度の食事を少量でも摂り、特に1日のエネルギーを補うための朝食はしっかり摂りましょう。

疲れを感じたらゆっくり休息して、寝る前のスマホもやめて睡眠は8時間とりましょう。

おすすめの食品

加熱するとホクホクする穀物類イモ豆類は熱量を上げるのでおすすめです。

食欲がない時は、ナッツリンゴなどを食べられる時に口にしましょう。

ホットミルクなど、体を温める飲み物もおすすめです。

おすすめの漢方薬

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 

「気」の不調~ストレスを溜めやすい「気滞」タイプ~

改善ポイント

寝不足や過度なストレスを溜めないで規則正しい生活リズムをつくりましょう。

他のタイプよりストレスに弱いので、上手に気分転換してその日のストレスはその日に解消しましょう。

考え込むより、リラックス

おすすめの食品

香りのある食品が「気」を巡らせるのでストレス解消につながります。

ニラしそ春菊みょうがゆずシナモンみかん等の柑橘類ハーブもおすすめです。

ペパーミントローズマリータイムなどのハーブも上手く利用しましょう。

ストレスに効果的な食べ物のご紹介はこちら

柑橘類の皮は入浴剤がわりにするのもおすすめです。

おすすめの漢方薬

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

 

「気」の不調~気が逆流して上昇する「気逆(きぎゃく)タイプ」~

改善ポイント

ぬるめのお風呂や腹式呼吸でリラックスしましょう。

足元をあたためる足浴もおすすめです。

おすすめの食品

「気」の逆流を治す食品として小麦大根ゆずそばなど

おすすめの漢方薬

加味逍遥散(かみしょうようさん)

 

「血」は血液の「血」

血液そのものと、血液と一緒に体に必要な栄養やうるおい、酸素を血液と一緒に運ぶものすべてを「血」と呼んでいます。

「血」のめぐりがいい人は、普段から体がポカポカとしています。

女性は毎月の生理で血液を失うため血液不足になりがちですが、「血」が足りていて全身をめぐることが、健康にも美容にもつながるんですよ!

 

「血」の不調~血の量が足りない「血虚タイプ」~

改善ポイント

夜中まで起きていると「血」を消耗するので夜更かしは禁物です。

できるだけ12時前に寝ましょう。

睡眠をたくさんとっても、夜中に起きているとからだは休まりません。

 おすすめの食品

「血」を補う作用のある食品としてレバーほうれん草ブルーベリープルーン赤身肉など

特に生理中は、補血食品を積極的にとりましょう!

おすすめの漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

加味帰脾湯(かみきひとう)

「血」の不調~血のめぐりの悪い「瘀血(おけつ)」タイプ~

改善ポイント

3大要因は冷えストレス過労です。

特に冷たいものの摂りすぎは、血行を悪くするので要注意!

散歩やウォーキングなど軽い運動を毎日少しとりいれましょう。

簡単にシャワーで済ますと、「血」の巡りが滞るので、「血」の巡りを良くする為に湯舟につかりましょう

おすすめの食品

「血」を巡らせる食品としてショウガにんにくにんにくの芽らっきょうローズティーシナモンティー紅茶などもおすすめです。

血液サラサラ作用の食品としてピーマン玉ねぎ納豆豆腐かつお黒砂糖など

からだをあたためる温野菜温かい飲み物がおすすめです。

おすすめの漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

丹参散(たんじんさん)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)

 

「水」は血液以外の体の中の水分(体液)

別名「津液(しんえき)」とも呼ばれています。

体をうるおすのに必要な水分(胃液、唾液、リンパ液、鼻水、尿、汗など)の総称です。

このが不足すると肌が乾燥カサカサしてシワになりやすく、過剰だとむくみの原因になります。

 

「水」の不調~部分的に水がたまって滞る「水滞」タイプ~

改善ポイント

クーラーや薄着は避けて、なるべく体を冷やさない生活を心がけましょう。

夏場の冷房にはストールやひざ掛けで冷えガードを忘れずに。

生理中の冷たいものは厳禁

半身浴や足浴でリラックスしましょう。

おすすめの食品

体を温める作用の食品として唐辛子ショウガにんにくニラ香味野菜紅茶など

そうめんや冷ややっこなどの冷たい食べ物には薬味を添えましょう。

むくみをとる作用の食品としてトマトきゅうりスイカなど

からだを温める飲み物としてシナモンミルクティーがおすすめです。

おすすめの漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

「水」の不調ほてりやすい「津虚」タイプ~

改善ポイント

血液がドロドロになりやすいので、水分補給を心がけましょう。

軽い運動を日常的に取り入れることもおすすめです。

おすすめの食品

熱を冷ます作用のある食品としてトマトきゅうりなすスイカなどの夏野菜豆腐わかめなど

※「気虚」を合わせてもつ場合は、体を温めるショウガなどの薬味をプラスしてバランスをとりましょう。

余分な熱になる、こってりした物や辛すぎる料理はなるべく控えましょう。

おすすめの漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

 

バランスのいい「気血水」で体を整えましょう

いかがでしたか?

生まれもった体質はあるものの、食事や生活習慣などで改善できるものなんです。

体質だと諦めないで、その日の体調や季節、年齢によって日々変化していくので、養生しながらお過ごしください。

 

一児の母。医薬品販売に長く従事しており、医薬品に限らず美容と健康に関する情報を日々収集している。自身の経験も参考にし、妊活に関する情報も発信している。

2010年 医薬品登録販売者 資格取得

ミモザ製薬株式会社 管理登録販売者