以前、葉酸は老若男女問わず摂ってほしい栄養素とご紹介しました。
でも「葉酸」ってきくと、「妊活中、妊娠中の女性だけ必要な栄養素」と思っている人もまだまだ多いのが現状です。もちろん妊活・妊娠中の女性も葉酸は必要なんですが、この「葉酸」、実は女性だけではなく、妊活中の男性にも必要なんです。え?男性にも葉酸?と思ったあなたはこの記事を見たら身近な妊活男性にも教えてあげてくださいね!なぜ男性も葉酸が必要なのか詳しくご説明していきましょう。
この記事の目次
不妊の3割は男性側に原因がある
日本では夫婦の10組に1組が不妊で悩んでいるといわれ、6組に1組は不妊検査、治療を受けています。また5組に1組は二人目の子供を持つための治療受けています。夫婦にとって不妊症はとても身近なことなんです。
一昔前は不妊の原因は女性だけの問題と声高らかに言われていた時代もありました。現代では不妊で悩む夫婦の3割は、男性側に原因があるとされています。そのうち10人に1人は精子トラブルを抱え、100人に1人は無精子症といわれています。
夫婦で妊活を考えた時に、男性側の原因の1つとも言える精子の状態が、葉酸で改善する可能性があるならぜひ摂りたい栄養素ですよね!
妊活中は夫婦そろって葉酸をとることがおすすめ
葉酸は妊活男性も摂りたい栄養素
葉酸には、お腹の赤ちゃんの先天性障害のリスクを減らす作用や、子宮内膜を丈夫にする他、女性の卵子と同じように男性の精子の分裂にも必要な栄養素となります。
精子の質が向上!
葉酸はパートナーの男性も摂取することによって様々な恩恵を受けることになります。まずは精子の質についてです。精子の質が悪くなってしまうと妊娠率へ影響を及ぼすだけでなく、妊娠したとしても奇形になってしまう可能性もありますので、妊活をしているのならば避けていきたいところですね。
具体的な働きとして、葉酸が足りていない男性の精子は、DNA細胞に問題が生じるリスクがあります。精子の染色体異常の原因とは、細胞分裂の時に染色体のひとつであるDNA細胞に問題が起こること。染色体異常の精子が受精してしまうと、受精卵が育たず流産してしまったり、胎児の奇形のリスクが高くなったり、無事産まれてきても神経管閉鎖障害などの障害が出てしまう原因となるからです。また男女ともに葉酸を摂取している夫婦と比べて妊娠する確率が低いということもわかっています。
葉酸で精子の染色体異常が減る事が証明されています
健康的な男性の質の良い精子であったとしても、1~4%ほどの染色体異数性(染色体異常)があるとされています。
染色体異常の精子で受精するため、妊娠した赤ちゃんには何かしらの影響が出てしまいます。その働きについて、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の研究で、男性が葉酸を摂取する事で染色体異常の精子が20~30%減るという実験結果も発表されています。ほかにもダウン症・自閉症などのリスクを下げるために葉酸は有効だとも言われています。流産や産まれてきた赤ちゃんの障害を避ける為にも、男性も葉酸を摂ることが大切なんですね。
1日の摂取量の目安
厚生労働省によると妊娠を希望する女性に対して1日400㎍(マイクログラム)以上※、成人男性の推奨量は240㎍(マイクログラム)の葉酸の摂取を推奨しています。ただし、むやみに大量に摂るのはよくありません。厚生労働省の上限摂取量は1日1000㎍(マイクログラム)としています。葉酸は水溶性なので、体に吸収しなかった分は尿などで体から排出されますが、摂取しすぎてしまうとめまいや吐き気といった副作用が発生してしまうことにつながるので、サプリメントを使用する際は用量以上の服用は避けましょう。
※合成葉酸400㎍=天然葉酸800㎍DFE
DFE=食事性葉酸、主に天然の葉酸に用いられる単位
妊活中ならいつ葉酸を摂ったらいいの?
また摂取時期についても男女で差があります。
男性は摂取した栄養が精子になるまでに3ヶ月の時間がかかるとされているので、希望する妊娠時期の3か月前以前に摂っているとベストですね。
一方、女性は希望する妊娠時期の1か月前に摂取していることが望ましいとされています。
妊活中から葉酸をきちんと補っていれば、いつ妊娠したとしても、赤ちゃんの疾患リスクを減らすことができますね。サプリメントなどを活用して過剰摂取にならない程度に補ってあげるようにしていきましょう。
妊活中は夫婦揃って葉酸を摂りましょう
いかがでしたか?
妊活は女性だけが頑張れば良いというわけではなく、男性も一緒に参加すべきであり、葉酸は男女どちらにも良い効果が期待できる栄養素。妊活中は、染色体異常の少ない健康的な精子が増えることで、受精の確率が高まり妊娠しやすくなります。妊活中は、女性だけでなく男性も栄養バランスの良い食生活を意識しつつ、サプリメントで補う等、葉酸に対しての意識を持つことが大切ですね!