冷えは万病のもと!その不調は冷えが原因かもしれません。一言で「冷え性」と言ってもそのタイプは様々。冷えている実感のある人はもちろん、自覚のない人も冷えが不調を招いていることがあります。あなたは大丈夫ですか?
東洋医学では冷え性を、6つのタイプに分けることができます。
「元気」「やる気」などエネルギーの源になる「気」
「血液」を含む酸素や栄養を運ぶ「血」
「血」以外の体内の水分(リンパ液、唾液、胃液など)である「水」
漢方では体の構成を、この「気血水」の3つに分けて考えています。また「気」「血」「水」もその中で2つに分けられ、熱をなかなか作ることのできない「エネルギー不足」と、巡りの悪い「循環不足」と、大きく6つの体質に分けることができます。冷えの原因が「気血水」のどれに当てはまるかによって、あなたの冷え性のタイプが分かるのです。
この記事の目次
あなたの冷え性のタイプは?簡単チェックシート!
10個の質問が6項目あります。チェックの多かったものがあなたのタイプとなります。この冷え性は簡単にチェックできるので、ぜひ試してあなたの体質を理解しましょう!
さっそくチェックしてあなたの体質を理解しましょう!その症状に合った漢方薬も紹介しているので、体質改善に試してみるのもいいですね。
痩せていて体力がない気虚体質の「全身冷え」タイプ
☑体力がなくすぐ疲れる
☑全身が冷える
☑足腰が冷えてだるい
☑疲れがとれない
☑トイレが近い
☑下痢や軟便が多い
☑運動が嫌い
☑汗をかきやすい
☑ふらつく
☑食べる量が少ない
▼
▼
▼
あなたの体質は「気」のエネルギー不足からくる冷えです。
華奢で若い女性に多くみられる冷え性の傾向で、痩せすぎて筋肉量が少なかったり、運動不足から体が十分な熱を作れずに体全体が冷えてしまうタイプです。またダイエットなどで食事をしっかり摂らず、その影響で体全体のエネルギーが低下し、体を温める力が足りない状態になるのです。その状態が長く続くと、新陳代謝が低下して、熱を生み出せないため、夏でも冷えることがあります。
手足の指先と下半身がともに冷える全身冷えのタイプには、夏でも靴下をはかないとつらいと感じたり、夜中に何度もトイレに起きてしまったりといったことが挙げられます。
また全身冷え性の人は低体温の症状が多く、正常時の体温でも35度台と低く、一年を通して体が冷えています。そして、低血圧でなかなか朝起きられずに、睡眠のゴールデンタイムと言われている時間に起きているので、ホルモンバランスが崩れて肌や髪が乾燥したり、肌荒れやニキビ、悪化して生理不順や無月経に悩む人も少なくないのです。
気虚タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
顔色が悪くフラフラで血虚体質の「血不足冷え」タイプ
☑手足の指先が冷える
☑顔が青白く、爪が白っぽい
☑唇が紫色
☑しもやけやあかぎれができやすい
☑手足のしびれ・ひきつれ
☑肌が乾燥しやすい
☑めまい・立ちくらみ
☑血圧が低い・貧血気味
☑生理周期が遅れがち
☑肌荒れが気になる
▼
▼
▼
あなたの体質は「血」のエネルギー不足からくる冷えです。
体を動かすのが嫌いで、汗もかきにくく、エネルギーを作り出す筋肉が少ない人が多いタイプです。普段汗をあまりかかない人は、血が足りていない証拠です。血液の量が不足していて、巡りが悪くなり冷える傾向にあります。また女性は毎月の生理で出血があるので、男性よりも血が不足しがちです。
そもそも、人間は血液を全身に送ることで、血液の温度で体を温め、また酸素や栄養素を届けます。でも血そのものが足りなければ、それらができず、体の働きは正常に動きません。血液が末端まで届かないため、寒いとすぐに手足の先が冷たくなります。結果、体温や血圧がぐんと下がり、低体温や低血圧を招くことに……。この状態では外からどんなに温めても、運動をして血液の流れを良くしようとしても、隅々まで体を温めることができずに、ちゃんとした効果は得られなくなってしまうんです。
偏った食事や、無理なダイエットなどが「血」を作るのに必要なエネルギー不足の原因のひとつとなります。
血虚タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
イライラして常に神経を使っている気滞体質の「ストレス冷え」タイプ
☑どちらかというと神経質
☑イライラしやすい
☑ストレスが多い
☑気分にムラがある
☑生理不順、生理痛が重い
☑肩こり・頭痛
☑眠れない
☑胃もたれ感がある
☑お腹が張る
☑ゲップやおならが多い
▼
▼
▼
あなたの体質は「気」の循環不足からくる冷えです。
仕事や人間関係などのストレスで、帰宅後も気持ちと体が休まらない状態が続くと、血の巡りをコントロールする自律神経のバランスが崩れてしまいます。細かい事が気になる神経質タイプに多い症状です。寝る寸前までテレビやスマホなどを見ていると、ブルーライトの影響で交感神経を刺激して緊張感を高めてしまいます。交感神経が働いている時は血管がキュッと縮んでいるので、指先などの末端まで血が巡らなくなる原因となります。眠りにつくときには、副交感神経が働いて、血管も広がって全身に血を巡らすもの。
また寝つきが悪いというのは、交感神経と副交感神経がスムーズにスイッチされない証拠で、ストレスがさらに自律神経を崩す原因となります。
そして、ストレスというと精神的なものをイメージしがちですが、気温や気圧などが身体に及ぼすストレスも見過ごせません。たとえば、温かい部屋と寒い屋外の温度差もそのひとつ。自律神経の乱れを招いて血流が低下し、冷えにつながりやすくなります。そこに精神的なストレスが加われば、さらに自律神経のバランスが崩れ、血行が悪くなり冷えが悪化してしまう可能性も高くなります。顔はほてるのに下半身が冷えるなど、なかなか温まりにくいのが特徴です。
気滞タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
むくみを抱えやすい水滞体質の「お腹冷え」タイプ
☑お腹と手足が冷えやすい
☑お腹を触ると冷たい
☑下痢しやすい
☑食欲がない
☑お腹がシクシク痛む
☑胃腸が弱い
☑むくみが気になる
☑体がだる重い
☑お腹がちゃぷちゃぷいう
☑冷たい飲み物が好き
▼
▼
▼
あなたの体質は「水」の循環不足からくる冷えです。
一年中、冷たい飲み物を好んで飲んでいませんか?冷たい飲み物は体をダイレクトに冷やします。冷えやむくみ、頭痛などを感じることがあるのなら、そこに不要な水が滞っている証拠です。
夕方になると足がパンパン・・・なんて、経験ありませんか?むくみは、体の中の「水」(リンパ液、胃液、唾液など)がスムーズに流れないで停滞するために起こります。健康な体なら「水」は血管やリンパ管を通り、全身を回っています。ところが、冷え症の人は血の巡りが悪くなっている影響で、水の巡りも悪くなっています。からだの水分がリンパ管や血液中から漏れ出して、細胞と細胞の間(細胞間脂質)にたまってしまうと、それがむくみとなって現れるのです。
また不規則な食生活やストレスにより、胃腸が疲れてしまい消化吸収の働きが弱くなるため、体に余分な水分がたまり内臓が冷えるタイプです。お腹まわりが冷えると、内臓への血の巡りが悪くなって働きが低下します。胃腸は食べ物を消化吸収してエネルギーを作り出すためにも重要な場所です。また胃腸の周りには心臓、肝臓、腎臓など、生きていく上で必要な臓器もたくさんあります。
内臓冷えが起こると、体が自動的に「危険!」と判断して、全身からお腹のまわりに血液を集めます。そうなると、体の末端である指先などに十分な血液が届かなくなり、手足の冷えは起こるのです。
水滞タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
手よりも足がヒエヒエで瘀血体質の「下半身冷え」タイプ
☑あざができやすい
☑しみが多い
☑手足が冷えやすい
☑肩がこる
☑目の下にクマができやすい
☑生理痛が重い、レバー状の血の塊がでる
☑頭痛や腰痛などの痛みがある
☑手足の先が冷える
☑顔色が悪い
☑舌の裏側に青い血管筋が見える
▼
▼
▼
あなたの体質は「血」の循環不足からくる冷えです。
指先などの末端が冷えている、生理不順、生理痛や肩こりがひどい、あざができやすいのは、「血」の巡りが悪い証拠です。全身にうまく血液が回っていないので、末端が冷えやすくなります。体の中でも特に冷えやすい足。それは、血の巡りが滞りやすい場所だからです。
重力の関係で血液がたまりやすい下半身は、重力に逆らい下から上に血液を送らなければならないため、他の場所よりも多くのエネルギーを必要とします。けれども足は心臓から一番離れている場所。血行を良くする心臓のポンプ作用の力が弱く、血流の勢いが弱いため、第2の心臓と言われているふくらはぎの筋肉が心臓の代わりに血液を心臓へと戻す役割を担っているのです。
このため、運動不足などでふくらはぎの筋肉の機能が低下していたり、筋肉量が極端に少ない方は、血液を心臓へ戻すことができず血行不良となり、足先が冷えたり、足がむくんでしまうようになるのです。足の疲労が多い方も、下半身、特に足先が冷えやすい傾向にあります。
瘀血タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
頭に血が上りやすい気逆体質の「冷えのぼせ」タイプ
☑手足は冷たいのに頭がほてっている
☑頭痛がひどい
☑肩こりがある
☑目の充血が気になる
☑何もしていないのに自然に汗が出る
☑のぼせ感
☑生理痛が重い
☑しもやけになりやすい
☑短気で怒りやすい
☑ストレスを溜めやすい
▼
▼
▼
あなたの体質は「気」の逆流からくる冷えです。
「冷え」と「のぼせ」は、正反対のように感じますが、どのような症状でしょうか?「冷えのぼせ」は、手足の指先などの末端は冷えているのに、上半身や顔がカーッと熱くなります。更年期障害の症状にある「ホットフラッシュ」と症状は似ていますが、この症状とはまた違うものになります。ホットフラッシュは、女性ホルモンの急激な減少により起こる更年期障害の特徴的な現象です。しかし冷えのぼせは、年齢問わずどの世代でも起こる症状なんです。
この冷えのぼせの原因は、「気」の逆流によって起こります。「気」とは、生きていくためのエネルギーのようなものです。本来この「気」は、頭から手足の末端へと上から下へと流れます。例えば怒りが強い場合などは、「怒りが沸々と湧き上がる」と表現されるように、エネルギーが頭の方に上っていきます。すると「頭がカッカする(熱くなる)」「頭が痛い」といった症状が出ます。このように、気が頭や上半身に逆流すると、激しい頭痛やイライラ、発汗、動悸、パニック発作という症状がみられます。
また上半身はのぼせますが、下半身は冷えるという「冷えのぼせ」も起こりやすくなります。
気逆タイプの冷えにおすすめの漢方薬はこちら
あなたの冷え性タイプはどれでしたか?
いかがでしたか?「冷え性は万病のもと」という言葉のように、冷えから様々な病気を呼び込んでしまうものです。冷え性はいつものこと・・・と放置せず、タイプ別の漢方薬を試してみるのもいいですね。症状がひどくなる前に自分でできる改善方法を見つけてみましょう!